宮崎神青ブログ - 20170419のエントリ
熊本地震発生より一年の節目にあたる4月14日、
熊本地震復興祈願祭を熊本県水前寺成趣園能楽殿にて斎行致しました。
主催 神道青年九州地区協議会
後援 九州各県神社庁連合会
協力 出水神社
神苑「成趣園」を境内とする出水神社は細川家歴代藩主を祀り、報恩の誠を捧げる有志により明治十一年に創建され、生活の守護神として御神徳を仰ぐ人々の参拝で終日賑わいをみせています。
趣旨
平成28年4月14日より発生した熊本県益城町を震源とした「熊本地震」より一年がたちます。今なお避難生活を余儀なくされ、様々な困難と隣り合わせで生活する被災者は数多く、元の生活に戻るには長い年月と多くの労力を要することが予想され、先行きの見えない未来に不安を感じられています。
しかしながら、当初は連日のように取り上げられていた現地の様子を伝える報道は日に日に減少し、同じ九州で生活している人々ですら、被災前と変わらない状況であるかのような錯覚を覚えてしまう現状にあります。
そこで、私たちは神職の本分である「まつり」によって、お亡くなりになられた御霊に対し慰霊の誠を捧げ、神々に対し祈りを捧げるべく「熊本地震復興祈願祭」を斎行することとなりました。また、これにあわせて「熊本の元気をみんなへ」をテーマとして音楽等の奉納演奏も行います。
本事業を通して、被災地の現状をより多くの人々に発信し、地震の記憶を風化させることなく、一人でも多くの人々が被災地に心を寄せ、復興への歩みを推し進める一助となることを心から願います。
第一部 午後1時 熊本地震復興祈願祭
参列者全員による大祓詞奏上
祭詞奏上
祭員一覧
氏名 | 単位会 | 奉務神社 | 所役 |
小野 眞一郎 | 大分県 | 早吸日女神社 | 斎主 |
平江 智仁 | 熊本県 | 松橋神社 | 陪膳 |
戸川 健士 |
佐賀県 | 唐津神社 | 膳部 警蹕 |
貴島 吉紀 | 鹿児島県 | 花尾神社 | 祝詞後取 一の手長 |
佐師 正教 | 宮崎県 | 田ノ上八幡神社 | 斎主玉串後取 二の手長 |
幸山 慎太郎 | 熊本県 | 赤水白山比咩神社 | 前導 参列者玉串後取 |
西高辻 信宏 | 福岡県 | 太宰府天満宮 | 祓主 |
岩松 正高 | 長崎県 | 松島神社 | 大麻所役 |
村松 大輔 | 大分県 | 八幡朝見神社 | 塩湯所役 |
串間 慶士 | 宮崎県 | 宮崎神宮 | 典儀 |
内村 泰彰 | 熊本県 | 阿蘇神社 | 楽太鼓 |
秋永 一憲 | 大分県 | 雲八幡神社 | 鞨鼓 |
長友 貞治 | 福岡県 | 宗像大社 | 鉦鼓 |
山田 大輔 | 大分県 | 宇佐神宮 | 鳳笙 |
戸高 宗徳 | 福岡県 | 太宰府天満宮 | 鳳笙 |
是則 慶秀 | 福岡県 | 竃門神社 | 篳篥 |
野澤 佳穂子 | 長崎県 | 温泉神社 | 篳篥 |
吉武 誠礼 | 福岡県 | 宗像大社 | 龍笛 |
茶木 俊介 | 鹿児島県 | 鹿児島神宮 | 龍笛 |
磯畑 希充子 | 太宰府天満宮巫女 | 楽箏 | |
今丑 いづみ | 熊本県 | 健軍神社 | 舞人 |
浦安の舞
天地の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を(昭和天皇御製)
祭典では、九州各県の名水をお供え致しました。
場所 | 品名 |
福岡県宗像市 | 天の真名井(あめのまない) |
佐賀県神埼市 | 金剛水(こんごうすい) |
長崎県島原市 | 江里神社の湧水(えりじんじゃのわきみず) |
熊本県阿蘇市 | 神の水(かみのみず) |
宮崎県高千穂町 | 塩井川の湧水(しおいがわのゆうすい) |
鹿児島県垂水市 | 財宝(ざいほう) |
沖縄県南城市 | 受水走水(うきんじゅはいんじゅのみず) |
大分県別府市 |
萬太郎清水(まんたろうしみず) |
熊本地震では、出水神社も鳥居の損壊など大きな被害を受けられました。
さらに成趣園池の水量も著しく減少。
現在でも水量は地震前の三分の一程度しか戻っていないようです。
世界一の地下水都市とも云われる熊本県。
これからか先も我々の生活にとって重要な水が、絶え間なく流れ続けますよう祈りつつ
祭典終了後には、水前寺保育園園児が成趣園池に上記の名水を献水致しました。
神代の昔、イザナギノミコトとイザナミノミコトは、大八島(日本列島)をお生みになり、さらに海や川、木や山、自然の風や霧などの森羅万象を司る多くの神々をお生みになりました。
爾来、日本人は神社や祭を通して自然と共存共栄し独自の文化を紡いできました。
もとより、人の力では為す術の無い自然に対して人々に与えられたのは祈りのみであり、全身全霊で祈るその意志の力によって守られることは多くあります。
日本国内の彼方此方、隅々にまでひっそりと鎮座される氏神さまは八万社を数えます。
当たり前という有難い日々に感謝の気持ちを忘れることなく、氏神さまでの日々の祈りや節目のおまつりを通して一人一人の小さな祈りが、日本の安寧へと繋がりますことを切に願うばかりであります。
第二部へ続く・・・