宮崎神青ブログ - 教えて神主さん!⑥~紀元祭?~
「きげんさい」と読みます。
我が国の建国を祝うお祭りで、2月11日の建国記念の日に全国の神社で斎行されます。
姉妹神青を結びました奈良県の橿原神宮では、例祭(神社で最も重要な祭典)として斎行されます。
そもそも日本の建国っていつ???
日本には、元号、西暦(西紀)、紀元(皇紀)の3つの紀年法があります。
この3つの中で、「紀元」は殆どの方がご存知ないのではないでしょうか?
これは「日本書紀」の記述を基にしたものです。
宮崎神宮のご祭神・神武天皇は15歳の時に皇太子になられ、宮崎に都を定められました。
しかし、この国の人々が豊かに暮らせるようにするには、四方を青い山にかこまれた大和
(奈良県)に都をおくのがよいと思われ、45歳の時に宮崎をおたちになり、大和へ向けて
すすまれました。そして、宮崎をおたちになって7年目の正月朔日(現在の2月11日)に
畝傍の橿原の地に宮殿を建て第一代の天皇にご即位されました。
この年を”紀元元年”(建国記念日)とし、平成29年は紀元2677年にあたります。
神武天皇御即位の御聖勅(宮崎神宮蔵)
紀元表記が見直されたのは、明治以降のことです。
それは「神武創業ノ精神ニ原キ」との明治維新の原点回帰を見れば当然のことと思われます。
先に紹介しました「橿原神宮」は紀元2550年(明治23年)に創建。
また紀元2600年(昭和15年)は、国史上未だかつてない程に「紀元」が注目されました。
全国規模で奉祝事業が展開され、宮崎県にあっては、八紘之基柱(平和の塔)の建設や、
上代日向研究所の設立、神武天皇の聖蹟保存顕彰などが実施されました。
ところがその後、終戦による占領軍の神道弱体化を意図した「神道指令」(昭和21年12月
15日発令)や、西洋文化の流入・国際化の歩みの中で「紀元」は過去の遺物として忘れられ
つつあります。
世界にも、国の文化や歴史に根ざした様々な「紀元」が存在しています。
各々の国民が独自の紀元を尊重して、それを意識的に護持していきたいもです。
現在の日本人が忘れつつある「国を愛する心」を養うためにも、建国をしのぶことはとても
大切なことと考えます。
建国記念の日には、是非ともお近くの神社へお参りされて下さい。
橿原のとほつみおやの宮柱 たてそめしより国はうごかず (明治天皇御製)
紀元2677年(平成29年)
紀元2676年(平成28年)
紀元2675年(平成27年)
紀元2674年(平成26年)
紀元2673年(平成25年)