宮崎神青ブログ - 知っちょる?宮崎の祭⑪
〇福種子下ろし(ふくだねおろし)〇
『日向国風土記逸文』にて瓊瓊杵尊が「籾を四方に投げ散らす」神事になぞらえ、紀元節を寿ぎ、五穀の豊穣と地域の安寧を祈る祭りです。
由来:福種子下ろし(ふくだねおろし)の神事は、『日本書紀』 巻第二所謂「斎庭の穂の神勅」にて皇孫瓊々杵尊に稲穂が授けられた神事、そして『日向国風土記逸文』の瓊々杵尊が四方へ籾投げ散らした神事が由来とされています。 四方に蒔く神事の所作は『日向国風土記逸文』にて瓊瓊杵尊が「皇孫尊、尊き御手以て 稲千穂を抜きて籾とし、四方に投げ散したまはば・・・」と、籾を四方に投げ大御神の御光を四方に照らした神事が伺え、この故事が由来と考えられています。 福種下しの神事では籾を投げる際に「種蒔之記」という福種の由来を説く歌を奏して種子を蒔きます。この歌に霧島信仰を伺う記述があり、稲穂を携え高千穂の峰を登拝した山岳信仰の影響が南那珂地域に流れ、潮嶽神社のみならず、日南市東郷地区に鎮座する大宮神社にも種蒔き神事が斎行され、南那珂地区で伝承されていた神事ではないかと考えられます。 投げられた「籾」は神の神意が宿り、農業をする人は稲の苗代にして田の豊作を祈念し、漁師においては船霊の神に捧げ、海上安全・大漁満足祈願に、また一般家庭では家内安全・子孫繁栄の象徴とされます。 信心の厚い氏子・崇敬者によって競い合うように拾われるこの神事は、賑やかに執り行われ、当日は集落の住民がこぞって神社に集う、まさに地域の風物詩となっています。
時期:二月十一日
神社:潮嶽神社(うしおだけじんじゃ) (日南市北郷町鎮座)
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