宮崎神青ブログ - 知っちょる?宮崎の祭⑱

知っちょる?宮崎の祭⑱

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その他
執筆 : 
sashi 2022-2-17 10:14

 

 

 

 〇ししとぎり〇

 

西都市銀鏡神社の銀鏡神楽、式三十二番「ししとぎり」爺と婆の面様を付けた二人を主役に、狩行司を務める禰宜の三人で行います。主役の二人は豊磐立命と櫛磐立命の仮の姿とする。「ししとぎり」とは、猪の通った跡をたどる、という意味で、狩りの様子を模しており、前述の二柱の神が猪の足跡をたどり、仕留めて持ち帰るまでを、地元言葉を使い、狂言風に表現している爺と婆が弓矢を片手に、社務所の台所から出てくるところから始まり、神楽を奉納する舞台である「外神屋」まで、猪の足跡をたどるかのようにやってくる。二柱の神が猪狩りにまつわる「まぶし割り」(射手を各要所に配置する)などの問答を交わしながら、最後は猪を模した柴をまな板に括り付けたものを背中に背負い、大きな猪であることを表現するようにヨタヨタと立ち上がり、ゆっくりと台所にもどる。そしてまな板の猪を台所の梁につるしかけて終了します。三人のやり取りが面白く、まるでコントをしているような神楽で見ている人は皆笑ってしまいます。ししとぎりは狩人ではない人に、狩りの様子を見せて、その作法の大切さを知ってもらい、豊猟をともに祈ってもらうものであります。
 
由来:銀鏡神楽は、長享三年(1489)三月十六日に銀鏡神社が創建される以前から存在していて、南北朝時代からの起源といわれています。そこに修験者の持ち込んだ神楽等が影響し、さらにその後、銀鏡神社の社家である濵砂淡路守重賢(しげかた)が鵜戸山道場に出仕していた時に取得した「鵜戸神楽」と「鵜戸鬼神」の舞を持ち帰り、これが多くの神楽に影響して発展し現在の銀鏡神楽の形になったと言われています。銀鏡神楽は昭和五十二年五月十七日に国指定重要無形民俗文化財となり、宮崎県の数多い神楽の中でも一番最初に国指定になった神楽であります。銀鏡神楽は銀鏡神社例大祭の宵宮毎年十二月十四日の夜に奉納されます。
 
 
時期:毎年十二月十四日
 
神社:銀鏡神社 https://www.pmiyazaki.com/siromi_j/
 
写真②
 

 

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