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宮崎神青ブログ - 教えて神主さん!⑲~式内社?~

教えて神主さん!⑲~式内社?~

カテゴリ : 
教えて神主さん!
執筆 : 
office 2014-10-20 10:30

前回の続き・・・

 

奈良県神道青年会創立五十周年記念式典を終えた翌日。

どうにか集合時間の8時30分には準備を整え、予定通り奈良県宮巡へ出発!

方向音痴な私はどの方角に進んでいるのかもよく分からず、バスに揺られること数十分。

先ずは生駒郡三郷町鎮座の龍田大社へ。

天と地の間、即ち大気・生気・風力を司る神様で「風神」として有名な神社です。

ここでは正式参拝。

拝殿は四方から風が吹き抜け、非常に清々しい参拝となりました。

 

続いては北葛城郡河合町鎮座の廣瀬大社へ。

主祭神は水の守り神様で、大和盆地を流れる総ての河川が一点に合流する地に

鎮座されています。

各お社にて宮司様をはじめ職員の方々には、ご厚遇に預かりましたこと衷心より

厚く御礼申し上げます。

 

ちなみに龍田大社、廣瀬神社は『式内社』(しきないしゃ)であります。

式内社とは延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に記載された神社のこと。

延喜式とは、律・令・格の施行細則を集成した法典であり五十巻から成る書物で、醍醐天皇の

命によって延喜五年(905)八月に編纂を開始し、二十二年後の延長五年(927)十二月に

完成奏上されました。その後も修訂が加えられ、施行に移されたのは四十年後の康保四年

(967)十月でありました。

五十巻の内の巻一~十が神祇官(じんぎかん)関係の式であり、つまりは神社に関すること。 

内容 詳細
一・二 四時祭上下

恒例の祭祀の各々について、とくにその祭料の品目、数量を中心

とした規定

臨時祭

霹靂(へきれき)神祭以下の臨時の祭について、主として祭料に

関する規定

伊勢太神宮 伊勢の皇太神宮・豊受大神宮に関する諸規定

斎宮寮

(さいぐうりょう)

伊勢太神宮の斎内親王、斎宮、斎宮寮などに関する規定
斎院司 賀茂大神の斎王関係

践祚大嘗祭

(せんそだいじょうさい)

天皇即位後に行われる一世一度の践祚大嘗祭に関する細則
祝詞 二十七編の祝詞が集められている
九・十 神名帳上下 当時の官社の一覧表

巻九・十に記載された神社が『式内社』であって、由緒ある神社としてその社格を誇ることができました。

その数は3,132座、2,861社。(座=神様の数、社=神社の数)

これらの神社は、少なくとも延喜式が完成した延長五年(927)には鎮座されていたということになります。

 

さらに式内社は以下の様に区分されます。

区分  
官幣大社  304座  198社

京畿内中心に全国に散在したが、現在の北海道はもちろん九州

にも置かれなかった

官幣小社  433座  375社 畿内のみ
国幣大社  188座  155社 畿外に分布
国幣小社 2207座 2133社 畿外に分布

(官幣社=神祇官から幣帛を受ける社  国幣社=その社のある国から幣帛を受ける社)

この分布からも分かるように、官幣社は神武天皇さまが宮崎よりご東遷の末、ご即位された

奈良県を中心に偏っており、地理的な要因が大きく関係していたと思われます。

 

その内の286座、216社が奈良県(大和国)に鎮座されます。

ちなみに宮崎県(日向国)には式内社は何社あるでしょうか???

①4社

②40社

③400社

 

答えは・・・

 

なんと①の4社。

 

都農神社都万神社江田神社、霧島神社がこれにあたります。

霧島神社は霧島岑神社東霧島神社霧島東神社霧島神宮のいずれかではないかと

言うことだそうです。

 

式内社は中世には官社の形骸化とともに実態は失われたのですが、名称自体は一種の社格として現在にも残っております。

 

長々とした説明となりましたが、お分かりいただけたでしょうか???

 

さて話は奈良県宮巡に戻りますが、その後一行は

法隆寺を最後にお参りし、伊丹空港にて解散となりました。

 

あっという間でしたが、非常に有意義な2日間となりました。

奈良県神青会の皆様には、ご多忙中にも拘わりませず終始お付き合いいただき

誠に有り難うございました。

 

来年は宮崎県高千穂町にて交流事業を開催予定です!

皆様お揃いでのお越しを会員一同心待ちにしております(^_^)/~

 

おおきに! ほなな~(^^)/ 

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