宮崎神青ブログ - 教えて神主さん!②~新嘗祭?~
新嘗祭は、「にいなめさい」と呼びます。
例祭、祈年祭(きねんさい)とともに、神社における重要なお祭りの1つです。
11月23日は、宮中では天皇陛下が天照大御神をはじめ神々にその年の新穀をお供えし、
御自身もお召し上がりになる「新嘗祭」が斎行されます。
天皇が即位後、初めて行う新嘗祭のことは、大嘗祭(だいじょうさい)といいます。
つまり大嘗祭は天皇一代に一度の大祭ということになります。
新嘗祭の起源については「天孫降臨」に際し、天照大御神が孫にあたる瓊々杵尊
(ににぎのみこと)に斎庭(ゆにわ)の稲穂をお授けになったことに遡ることができます。
天照大御神から授けられた稲穂が栽培され、これが我が国における農業の始めとなったのです。
この神話にならい全国の神社では新穀の収穫を感謝するおまつりが斎行されます。
ちなみに伊勢の神宮は新嘗祭ではなく、10月17日に神嘗祭(かんなめさい)が斎行されます。
伊勢の神宮における年中最大の収穫祭であり、天照大御神に新穀を供えまつり、宮中ならびに
全国の神社の新嘗祭に先だって斎行されます。
祝詞では現世の人間のことを「青人草」(あおひとくさ)といいます。
古事記に初見され、日本書紀では「蒼生」と書かれています。
本居宣長は「古事記伝」で、人の増えていくのを青草の生い繁る様にたとえた語と説いています。
皆様ご承知のように、人の繁栄に”食”は欠かせないものであります。
改めてお米をはじめ、食物に感謝する日としていただきたいと思います。
食前感謝の言葉
たなつもの百の木草も天照らす日の大神のめぐみえてこそ いただきます。
食後感謝の言葉
朝よひに物くふごとに豊受の神のめぐみを思へ世の人 ごちそうさま。
宮崎神宮新嘗祭お供えの様子(平成23年)