宮崎神青ブログ - 教えて神主さん!⑧~祈年祭?~
「きねんさい」と読みます。
毎年2月17日に全国各地の神社で斎行されるお祭りのことです。
古くより我が国は、「豊葦原千五百秋瑞穂国(とよあしはらながいほあきのみずのほくに)」と云われます。
豊葦原 = 豊に葦が生い茂る原
千五百秋= 限りなく長い年月=永遠
瑞穂国 = 瑞々しい稲穂が実る国ということで、日本国の美称です。
祈年祭は「としごひのみまつり」ともいい、年頭にあたり神々に五穀豊穣を祈ります。
祈年の「年」は、稲の意味で、お米がたくさんとれることが国の平安につながり、それが人々の実り多き暮らしに結びつくことから、新嘗祭とともに重大なお祭りとされてきました。
なぜそんなにお米が大事なの?
なぜ神社ではまずお米をお供えするの?と思う方もいらっしゃるでしょう。
天孫降臨に際し、天照大神より御子天忍穂耳尊(あめのおしほみみのこと)に与えられた「斎庭の稲穂の神勅」(ゆにわのいなほのしんちょく)という御言葉をみれば分かります。
吾(あ)が高天原に御(きこ)しめす斎庭の稲穂を以て、亦吾が児(みこ)に御(まかせ)せまつるべし。
高天原で大神自らの手により神聖な神田で作られた稲穂を、天孫自らが地上にもたらし広めなさい。また、天孫の子孫である天皇も同様にしなさいと言われています。
天皇陛下はこの神勅に基づき現在に至るまで手づから稲を育てられ、収穫された稲で神饌をはじめとする御供物を整えられて祭りを行われます。
このようなことから神社のお祭りの基本は「稲」に関係しています。
当会の封筒にも「米作りは我が国の基」と印字されているように、日本人とお米は非常に関わりが深いものなのです。
秋の新嘗祭には、お米をはじめとして御供物を横山の如くお供えして、厳しく美はしく奉仕できますように、諸産業、皇室の安泰、国家の繁栄、国民の幸福を共に祈りましょう。