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活動の歴史

植林地事業

経緯

昭和36年、神道青年全国協議会において、国民の悲願である建国記念日の制定を何とか実現させるための活動を展開していた。当会でも一丸となって署名活動等を強力に行っていたところ、昭和41年にようやく建国記念日が国民の祝日として制定された。そしてこの建国記念の日制定と、さらに明治維新百年祭とを記念し、当会の活動資金確保を第一の目的に掲げ、植林地の実施が決定された。

当時の佐藤宣久会長をはじめとする会員の熱意により、昭和42年1月27日、西臼杵郡高千穂町大字岩戸字寺尾野上ノ園続の1町3反を植林地とする契約が正式に結ばれた。
その後会長交代に伴い、昭和55年2月6日岩切重信会長との間で再度契約が交わされ、さらに昭和58年9月7日に55年前後に植樹を行った樹木の確認と、この配分に関する契約が串間正捷会長との間で結ばれた。

植樹と管理作業

何事にも事を始める時には大きなエネルギーが必要であるが、本事業も例外ではなかったようである。各地で開催されている記念植樹のようにスマートにはいかない。なにせ植林地は天岩戸神社から車で約20分、そこから徒歩で約15分程の山奥で、しかも山頂付近である。勾配も急で地面も岩がゴツゴツしてたという。

昭和42年2月27日、作業はまず整地から始まった。20名程度の会員が鉈や鎌を持って草を刈りつつ、土を運び入れるのに丸2日間費やしたという。そして3月1日から植え付けを行い、6日に植樹が無事完了した。翌年から毎年下刈り作業が行われた。季節は夏、大鎌を持って斜面を登り、毎回汗だくになりながら数時間の作業を終えて下山した。かなりの重労働ではあるが、その後の高千穂名物かっぽ酒での直会、そしてなにより佐藤宣久宮司の厚遇が会員の喜びでもあった。

昭和55年および56年に、それぞれ第2、第3次の植林を行い、植林地を拡大した。

作業翌朝の禊(昭和60年)

平成2年8月には、伐採木搬出のための索道を通した。下刈り作業も樹木の成長とともに時間を取らなくなってきた。

そこで岩戸開きの伝承地である岩戸川の天安河原で、全員一同鉢巻にふんどし姿で、禊行事も併せて行うようになった。
一方ではハプニングも起こった。冬季の活動では積雪で思うように作業が捗らず、夏には台風で余儀なく作業中止に追い込まれたり、また蜂からの攻撃で顔を歪ます者もいた。

最後の下刈り(平成2年)
育樹祭(平成9年)

平成10年8月には、神青会50周年記念事業の1つとして行われた北海道納沙布岬での北方領土返還祈願祭に先立ち、朽ち果てていた従来の支柱を大地に返し、この植林地で成長した杉材を用いて、支柱を立て替えたのである。

その後すくすくと育ち、契約期間の40年が過ぎた。

いつでも伐採できる様、平成24年11月5日に植林地伐採安全祈願祭を斎行した。
どの時期に伐採を行うのかはまだ決定していないが、植林地事業は概ね終了となった。

本事業を興していただいた諸先輩方の本会への熱い思いと、我々後輩への厚い思いやり、すなわち本会の飛躍発展のために、数十年先の活動資金に目を向けて頂いたことをまずもって忘れてはならない。またこの森林を、森を守り自然を守っていくことをこれまで以上に積極的に働きかけねばならない大きなシンボルとしていきたい。

年表 

年月日場所会長
昭和42年 1月27日植林契約締結佐藤宣久
昭和42年春植林佐藤宣久
昭和43年 8月下刈り作業佐藤宣久
昭和44年 8月下刈り作業佐藤宣久
昭和45年 9月 8日下刈り作業佐藤宣久
昭和46年 9月11日・12日下刈り作業佐藤宣久
昭和47年 9月13日・14日下刈り作業中原捷博
昭和48年 9月下刈り作業中原捷博
昭和49年 9月下刈り作業岩切重信
昭和50年 9月5日・6日下刈り作業岩切重信
昭和51年 9月6日・7日下刈り作業岩切重信
昭和52年 9月7日・8日下刈り作業岩切重信
昭和53年 9月下刈り作業岩切重信
昭和54年下刈り作業岩切重信
昭和55年 3月第2次植林岩切重信
昭和55年 9月下刈り作業長友隆二
昭和56年 3月第3次植林長友隆二
昭和56年 9月 5日下刈り作業長友隆二
昭和57年 9月17日下刈り作業長友隆二
昭和58年 9月 7日下刈り作業串間正捷
昭和59年 9月25日・26日下刈り作業串間正捷
昭和60年 9月16日下刈り作業日髙久光
昭和61年 9月26日下刈り作業日髙久光
昭和62年 9月18日・19日下刈り作業本部雅裕
昭和63年御不例中止本部雅裕
平成元年台風中止宮田義和
平成 2年8月29日下刈り作業宮田義和
平成 4年2月24日・25日枝打ち作業永友宗範
平成 6年3月25日・26日枝打ち・間伐作業原賢一郎
平成 7年 2月22日原賢一郎
平成 9年 9月26日植林30周年記念事業「育樹祭」 12名奉仕戸高俊一
平成24年11月 5日植林地伐採安全祈願祭
(斎主 天岩戸神社 佐藤永周)
串間祥亮