活動の歴史
禊
禊(みそぎ)とは、身体を洗い滌ぐ(すすぐ)ことで、身についた凶事や罪穢を除去して清めることです。

記紀でイザナギが黄泉国(よもつくに)から帰ってきたとき、その穢(けがれ)を祓うために阿波岐原(あわぎはら)(紀では檍原)で禊祓をしたことが神話的起源とされます。
穢れを祓うことのほかに、新しい霊魂を迎え入れたり付着させやすくする目的があるという説もあり、神職にとって大切なことであり、当会では大寒の日に行っていました。
祓詞(はらいことば)として全国津々浦々の神社の神職が唱えている
「橘の小戸の阿波気岐原」
第1回はその縁の聖地を地元にいただく宮崎市において、その奇しき御縁を活かしたいとの真心と求道精神によって提案がなされ大寒禊の実施されました。
自然の営みの中にその身を投じ融和して祓うという行為、祓われるという事象が如何なる肉体的感覚と精神的境地によって表されるのかを、机上の理論に頼らず個々の全身全霊を以て感得出来る機会に恵まれたわけである。
最も厳しかった年~創立五十周年記念誌より~
最も厳しい気象条件であったのは平成二年(第三回)であるとの意見が多い。その日は、早くより空が雪雲で覆われる天気であった。案の定河原も粉雪混じりの強風が吹き荒れていた。草地には霜が、水際の土には霜柱が残り、岸辺の浅瀬には氷が張っている個所もあた。その日の禊の厳しさは強烈で、正に体験した者でなければ解らない世界であった。ちなみにその日の大淀川の水質は三度であった。尤も禊においてその状況の過酷さを問う事はさして重要とは思われない。その日その時その場所で今現在の自分を心身共に丸裸の状態にして神代さながらの行為をする事こそ大切ではなかろうか。ただ本会五十周年の歴史の一コマとして残しておきたく願い綴った次第である。
宮崎・鹿児島神青合同大寒禊~※参考 創立五十周年記念誌~

行事の概要
「宮崎・鹿児島神青合同大寒禊」は、その日両県神青会員が集まって禊を行うという形だけに収まらなかった。即ちそれは、二日間掛りの一大行事であった。その内容は大きく四つのセクションに分かれていた。
①大寒前日に集合して講演会及び研修会を開く
講演会 題「高木兼寛と禊」 宮崎神宮宮司(当時) 黒岩龍彦先生
研修会 「宮崎県・鹿児島県両県葬送儀礼の違いについて-遷霊を中心として-」
両県会員が向き合う形で席を作り意見交換会を実施。
②大寒前夜は懇親会を催して両県神青会員の親睦の場を設ける
懇親会は多くの会員が初対面であったにも拘わらず賑やかなものとなった。
また、各席上には翌日の禊に使う鉢巻と褌を記念品として配布。特に布製の鉢巻は日の丸と行事名称を染め込んだ特製のものであった。宮崎神宮の三人の女子用務員さんが、勤務の片わら休憩時間まで潰してミシンを稼働させ続け、ギリギリ間に合わせてくれたものである。

③大寒当日の合同禊
総勢五十名の規模で行われた。
時折り陽の差す薄曇りの天候で風は少し強かった。外気の寒さ及び水温の冷たさについて具体的な記録は残されていないが、例年に比べても並以上の厳しさであった。
両県会員の心と体が一つとなった乱れのない厳粛さを伴った禊が展開された。また、見学の保育園児達のその思うままを口にする罪のない会話が風に乗って届き、参加者達の心を和ませてくれた。
④禊後の直会
各人が家路につく前でもあり前夜の様に盛り上がったものではなかった。しかし、大きな事を無事に成し遂つつある安堵感が各自の胸中にあったものか、会場内は優しく穏やかな気に満ちていた。
禊年表
回数 | 年度 | 月日 | 場所 | 参加人数 | 会長 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 昭和62年度 | 1月21日 | 大淀川 | 記録なし | 本部雅裕 | |
第2回 | 63年度 | 1月20日 | 大淀川 | 記録なし | 本部雅裕 | |
第3回 | 平成元年度 | 1月24日 | 大淀川 | 12名 | 宮田義和 | |
第4回 | 2年度 | 1月20日 | 大淀川 | 12名 | 宮田義和 | |
第5回 | 3年度 | 1月21日 | 大淀川 | 17名 | 永友宗範 | |
第6回 | 4年度 | 1月20日 | 大淀川 | 14名 | 永友宗範 | |
第7回 | 5年度 | 1月20日 | 大淀川 | 50名 | 原賢一郎 | 鹿児島県合同 |
6年度 | 7月4日 | 鹿児島県 | 8名 | 原賢一郎 | 鹿児島県合同 | |
第8回 | 6年度 | 1月20日 | 一葉海岸 | 22名 | 原賢一郎 | |
第9回 | 平成7年度 | 1月22日 | 一葉海岸 | 23名 | 戸高俊一 | |
第10回 | 8年度 | 1月21日 | 一葉海岸 | 24名 | 戸高俊一 | |
第11回 | 9年度 | 1月20日 | 一葉海岸 | 20名 | 戸高俊一 | |
第12回 | 10年度 | 1月20日 | 一葉海岸 | 21名 | 戸高俊一 | |
第13回 | 11年度 | 1月21日 | 一葉海岸 | 29名 | 壱岐和史 | 山口県より4名 鹿児島県より3名 |
第14回 | 12年度 | 1月19日 | 一葉海岸 | 18名 | 壱岐和史 | |
第15回 | 13年度 | 4月12日 | 一葉海岸 | 20名 | 伊藤俊郁 | |
第16回 | 14年度 | 1月21日 | 一葉海岸 | 13名 | 伊藤俊郁 | |
第17回 | 15年度 | 1月20日 | 一葉海岸 | 12名 | 前田瑞国 | |
第18回 | 16年度 | 1月20日 | 一葉海岸 | 12名 | 前田瑞国 | |
第19回 | 17年度 | 1月20日 | 大御神社前 | 17名 | 伊東健治 | |
第20回 | 18年度 | 1月19日 | 青島神社前 | 16名 | 伊東健治 | |
第21回 | 22年度 | 8月19日 | 青島 | 約60名 | 長友安隆 | 神道青年九州地区協議会研修会 |
第22回 | 26年度 | 9月7日 | 富土海水浴場 | 約20名 | 野迫武士 | 南那珂ブロック会 |
第23回 | 令和3年度 | 8月21日 | 青島 | 約20名 | 佐師慶保 | 青島神社裸参り |






